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2021年5月9日日曜日

低速度侵徹のエネルギー効率

高速度侵徹のエネルギー効率については、高速度侵徹のエネルギー効率高速度侵徹の侵徹効率で触れました。

これらの記事で興味深いのは、APFSDSの侵徹効率が最大となる速度は侵徹深さの衝突速度依存性とは全く異なることでした。せっかく低速度侵徹のモデルができましたので、低速度侵徹のエネルギー効率について考えてみましょう。

装甲が消費するエネルギーEは標的が作るz方向応力\sigma_zの侵徹深さPについての積算なわけですが、

\sigma_z = \sigma_s + \frac{3}{2}N\rho_t V_z^2

W= \int_0^P\sigma_z dz

を解きましょう、ということになります。\frac{3}{2}N\rho_t V_z^2がなければ、簡単に

W= \int_0^P\sigma_z dz = \sigma_s P = \frac{2Y}{3}\left(1+\ln{\frac{2E}{3Y} } \right)

となます。初期(断面積当たり)運動エネルギーKE0\frac{1}{2}\rho_p(L+ka)V_0^2として等式を立ててみれば、

\frac{1}{2}\rho_p(L+ka)V_0^2 =  \sigma_s P 

P = \frac{\rho_p(L+ka)V_0^2}{2\sigma_s}

となって、これは低速度侵徹の侵徹深さの求め方 - Forrestalの式 -の最後の式に一致します。

では、動的な場合について求めてみましょう。となるわけですが、\frac{3}{2}N\rho_t V_z^2z依存性を出すのは結構大変なので、数値的に計算した結果からV-zの関係を出し、積分することにします。高速度侵徹の場合と同じように、

\eta = \frac{W}{KE0}

\eta_p = \frac{\sigma_sP}{KE0}

と定義してプロットをしてみると

となって、低速度侵徹ではエネルギーは保存されていることがわかります。一方、侵徹効率は衝突速度が高くなるにしたがって低下している、すなわち、\frac{3}{2}\rho_tNV_z^2の寄与が大きくなることがわかります。
とはいえ、高速度侵徹に比べればその効率はずっといいですね。

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