ユゴニオ弾性限界と標的強度項\sigma_s
低速度侵徹の侵徹深さの求め方 - Forrestalの式 -やAPFSDSとAPの差異とその由来では、APFSDSとAPのいずれの場合でもCavity expansion analysisから求められる\sigma_s(=\sigma_{rr}(a))が重要であることを見ました。ところで、\sigma_{rr}(a)の導出の仮定で全範囲の関数を求めているので、\sigma_{rr}(r)を求めることが出来ます。降伏強度1GPaの鉄について計算した結果を示します。
装甲は侵徹体の近傍で非常に大きな応力を生じて受け止めていることがわかりますね。図には、2本の縦線と、1本の横線が書かれていますが、縦線はそれぞれ、侵徹体径a、塑性変形領域径cに対応しており、横線はユゴニオ弾性限界に対応しています(\nu=1/3)。
侵徹に寄与する応力はr/a=1の値なので、ユゴニオ弾性限界よりも遥かに大きな応力が生じていることがわかります。これは、ユゴニオ弾性限界を超えた後の応力ひずみ線図の覚え書きで示したように、周囲から拘束のある材料は塑性変形後も変形に必要な応力が急峻に増加するためです。
と、いうようなことを思うと、そろそろユゴニオ弾性限界はいいのではないかという気もしますが、どうでしょうか。
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