C90お疲れ様でした。筆不精なもので、宣伝の全てをツイッターでしており、こっちではC90の話をしていませんでしたが、以下の様な本を出しておりました。
ちまちま宣伝していただけなのですが、なんの因果かかなりの数をRTしていただいただけでなく、まとめにも入れていただいたお陰で、当日は販売開始後1時間で取り置き分を除いた60部程度が一時間程度で掃けるという大変な盛況でした。ありがとうございます。しかし、その一方で、自分が初参加で適当に艦これジャンルにしてしまったせいで、購入に来られた主にメカミリの皆様には迷惑をお掛けしました。やっぱりこの本はメカミリですかね?また、その後もスペースに来ていただける方も多くおられました。純粋に自分がサークル初参加なところもあり、ピコどころかフェムトサークルと思い十分な量を用意したと思ったのですが、完全に読み違えておりました。申し訳ありません。問題なければ新刊が出るはずです。大和の装甲を通してみる呉海軍工廠製鋼部と、コピー本で最近ホットなCMCという材料についてザクっと見た本を出します。楽しんでいただければ。サンプルはこちらhttps://t.co/FjYAYqdq2f pic.twitter.com/l0XouRPMFG— 鹿部@8/13 東J11b (@c_curve1870) 2016年8月4日
さすがに心苦しいので、2つ手段を用意したいと考えております。一つはダウンロード販売で、こちらは既にPixivの派生のBOOTHにて公開しています(リンク)。一方で、同時に再度印刷をかけて委託+(通れば)次回冬コミに持ち込みたいと考えています。いますが、どんくらい需要あるのか本当に見積もれないのでまたアンケートに頼ろうかと考えています。在庫抱えてこそ同人みたいなところあるかと思いますが、かといってそれは本望ではないので…。いや、初参加で70部は相当冒険したつもりでした…。
というわけで以下のアンケートよろしくお願いします。
C90で完売した新刊大和の装甲について現在、再販と委託を考えていますが正直需要をよくわかってません。アンケート部数+αで刷ろうと思ってます。DL販売と協力のお願いについてはこちらhttps://t.co/7pGu259ls7— 鹿部@8/13 東J11b (@c_curve1870) 2016年8月14日
というのがこの記事の本題ですが、以下にちょっとしたお願いを。
今回、自分が書いた内容は、エピソードや経験談を極力排除して、金属の基本的な観点(知識ではなく)から呉海軍工廠製鋼部の設備、大和の装甲の組成、プロセスを理解することを目的としました。用いている知識は金属を考える上ではどれも基本的なもので、一章にそのイントロダクション的な役割を持たせたつもりでした。が、既にようわからんという声をいくつか貰っており、反省しきりです。
もしよろしかったらわからんところをどうわからんかったのか教えていただけると、次回以降の参考になりますのでよろしくお願いします。@c_curve1870に適当に投げてくれたら嬉しいです。金属やってると他の見方がわからなくなってくるんですよね…。
ちなみにざっくり読みたかったら2,3章+5章+6章+あとがきのようなものがおすすめです。4章をきちんと読もうとすると1章を読む必要があるかもしれません。後、各章の最後にコンクルージョンをつけているのでそこだけつまみ読みしてから読みなおすのもおすすめです。
以下余談です。
自分はほんとにわかなので、船全体というよりは戦前の海軍の製鋼技術についての興味で動いており、従来の議論はあまり踏まえていないと自覚しております。なので今回の本の内容が旧態然とした議論でしたら申し訳ありません。基本の底本は堀川一男の海軍製鋼技術物語だったりNathan OkunのHPだったり鉄と鋼だったりします。堀川一男の海軍製鋼技術物語と続・海軍製鋼技術物語は購入して以来相当お世話になっていますが、正直なところ行間があまりにも広すぎて正確に拾いながら読むのがかなり困難です。全部をきちんと踏まえながら読むのは金属系の院卒でも厳しいように思います(自分は鉄が専門でないこともあって今でも厳しいです)。一方で、書かれている内容は呉海軍工廠製鋼部の特殊鋼製造の技術を網羅的に書いており、非常に貴重な資料であることは間違いありません。
というわけで、そのような貴重な資料から戦前特殊鋼製造についてメタラジーとしてどうなのか見たら面白そうだなと思ったのが駆動力です。そのため金属のバックグラウンドに基づいて当時の理解について見ることが主目的であり、その目的には大和の装甲というのはそのプロセスから白目の対処法まで余すところなく利用できる最適な話題でした(なのでメカミリにするのがちょっとはばかられました)。この目的のために上にも書いたようにできるだけエピソードを入れることを避けました。延々と金属の議論が続き退屈に思われるかと思います。申し訳ありません。個人的に大和の装甲に纏わる話はあくまでも金属の話題であって、個々人のエピソードや経験談で終わるものではないと思ったからです。これは率直に言って偏見なのですが、エピソードを入れるとその辺りの話がわかりやすいエピソードとして消化されて終わるんでないかと考えたためです。製鋼技術の話はある程度一般性があるので、その他の製鋼関係に容易に敷衍することができます。例えばニセコ鋼鈑(ニセコ法)はつまるところ球状化セメンタイトをうまく作り、いわゆるソルバイト組織をうまく作るための手法でしょ?で数ページで収めることが出来ます。このようにある程度一般性があり様々な展開が考えられこんなにも面白い話題を単にエピソードとして消化されると悲しいので、前提知識のイントロダクションをつけ、その筋にしたがって行うようにしました(うまく行ったかはともかく)。
戦前日本の製鋼技術は技術的な孤立に伴い、諸外国の技術の進展にラグをつけながら独自の手法でもって大型化、高性能化を行おうとしました。種々の分野でそのようなことが起こったのかと勝手に思っておりますが、基礎的な知識を以ってその界隈の知見の範囲を見ることで、関連する広い範囲の知識をよりよく咀嚼できそうで面白そうだなぁと個人的に思っています。というわけで多分今後もそんな感じのちまちま作っていきたいと思っています。
次はNS110か日米装甲材の機械的特性比較?なんて思ってますけどどうしようかなぁ。
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